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精米歩合編

ここでは、精米歩合によるお酒の味の一般的な違いについて書きます。

本醸造70%以下、吟醸60%以下、大吟醸50%以下がそれぞれの特定名称を呼称する場合の精米歩合の規定です。
これからも分かるように精米歩合が小さくなる(削った残りが少なくなる)ほどきれいなお酒になります。
これは、お酒の雑味につながる成分はお米の外側に多く、内側には少ないからです。
(お米に含まれる成分が一様に分布しているわけでなく、あの小さな粒の中でも役割分担があるんですね)

で、基本は精米歩合を上げれば上げるほど雑味の少ないきれいなお酒にはなりますが、同時に味の薄いお酒になってしまいます。
アコキチの個人的な感想でいえば、雑味がほとんどなくなって本当にお米のうまさだけが出てくるのは精米歩合50%から40%の間だと思っています。
それ以上削るときれいだけど味わいのない呑んで面白みのないお酒になってしまうように思います。

ただ、香は35%くらいまで削ったほうがよく出るような気はします。つまり40%以上の削りは香のためにはなるが味にはマイナスだと思います。

『獺祭』という銘柄に精米歩合23%のお酒がありますが、はっきり言ってアルコールの辛さだけが舌に感じられる旨味の全然ないお酒になっています。香もイマイチでしたから、30%前後が磨きの臨界点かもしれません。
(『花薫光』が精米歩合28%だったと思います)

あと、お米の酒類によって精米歩合の限界点が異なります。
「山田錦」が最高の酒米と言われる要因のひとつは精米歩合を低くできる点にあります。「五百万石」の精米歩合は50%程度までです。「美山錦」は「山田錦」のように35%程度までは可能です。「雄町」も50%程度までですね。

味の乗ったお酒が好きな人は精米歩合70%~60%前後の純米酒がお勧めですね。特に酸味があったほうがいい人ならさらに「山廃」造りのお酒をお勧めします。
お米の甘味が好きな人なら、やはりこの辺りのお酒でキーワードに「にごり」や「生原酒」が付くお酒がお勧めです。

雑味のないきれいなお酒がいいけど、香よりは味を楽しみたい人には精米歩合50%程度の純米吟醸または純米大吟醸がお勧めです。
原料米が「五百万石」となっているお酒は避けたほうがいいと思います。
さらに、きれいなお酒がいいけどお金が高くなるのも避けたい人なら、逆に「五百万石」を原料米とした、精米歩合50%程度の吟醸または大吟醸がお勧めです。
(一般的な傾向として「五百万石」のお酒は淡麗辛口のお酒に仕上がっています)

雑味のないきれいなお酒であって、なおかつ味も乗っていて香もいいお酒となると精米歩合40%前後の「山田錦」を原料米とした大吟醸がお勧めです。本当に腕の良い杜氏さんなら50%の磨きで十分だと思いますが、一般的には50%で雑味のないお酒を造るのは名人中の名人でないと難しいと思います。
で、40%前後としています。

香が命と言う方は35%以下の精米歩合の大吟醸がお勧めです。『花薫光』の凄いところは純米造りであの香を出しているところになります。


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